観てきた。
けど、この作品について言葉でうまく語れるほど俺は頭がよくない。またそれが出来るほど頭がイカレてもいない。というわけで、作品の背景について語るだけで勘弁。
原作となっているのは、19世紀の半ばに
ドイツのHeinrich Hoffmannという人が書いた「不条理童話」。(
日本語訳)童話というものに、実は妙な部分があったり、深読みすると怖い部分があるというのは、ミュージカルでは“Into the Woods”が取り上げていたテーマだが、普通に童話を読む限りではそうした側面は抑圧されて、説教的な部分の「だからよい子でいましょうね」というようなメッセージが前面に出てくる。子供達はそうした説教的な部分を受け入れながら、そのメッセージに大人の胡散臭い押し付けメッセージを感じているというのも事実。医者で子供と接することも多かったHoffmannはそうした押し付けがましい部分がいやで、自ら、倫理的メッセージなしの童話を書いてみようと思い立って出来たのがこの本とのこと。
「コンラッドはお母さんにいくらいわれても、指しゃぶりを止めませんでした。するとハサミをもった怖いおじさんがやってきて、コンラッドの指をちょん切ってしまいました。コンラッドは死んでしまいました。おしまい。」
だからなんなやぁ~~~~!!と叫びたくなる人は、この芝居向いてません。こういう話見せられて、げらげら笑いながらも、背筋にぞっとするするものを感じる人は、いってもいいかも知れない。
出演者達は、この不条理な世界を不条理なままに、最高の技量で演じている。すごいね。間の取り方だけで客を笑わせ続けるのは、日本の落語にも通じるものがあるような気がした。
芝居に何か意味を見出したりしたり、感想を持ちたいと思う人はいっても頭かきむしるだけだろう。徹底的に意味のない世界を見て、「意味ねぇ~、面白れ~」と言える人は満足いくのでは?