映画の日だったので、いってきた。
いや~、いいっすね、こういう映画。決して新しいものが出てきているわけではないけど、お約束のキャラとお約束のパターンがうまくかみ合っていて、とても楽しめる映画に仕上がっていた。
味覚と嗅覚が発達したネズミのレミーが料理に目覚め、だめだめコックのリングイニをあやつって、落ちぶれた名店レストランを盛り立てていくというストーリー。
こういうパターンは「シャーロットの贈り物」とか、「ドラえもん」なんかで確立されているわけで、ピクサーのアニメ作品は、こうした王道の型を踏襲して、いろんな味付けで見せてくれる。
ストーリーとかについて、あれこれ書いて、これから見る方を邪魔したくはないので、俺がちょっと注目したところをひとつふたつ。
この作品の舞台はパリなのだが、時代設定がおそらくや意図的にレトロではあるものの曖昧にされている。テレビが白黒(でもチャンネル表示はデジタル)だったり、手動のタイプライターで書き物をしていたり、冷凍食品はあるのに電子レンジはなさそうな雰囲気といった感じでね。これはたぶん、パリという街に人ごとが一番ロマンチックなものを感じるのがこの時代ということなのだろうか。
ピクサーのアニメーターたちは日本のアニメの影響を受けているというのは、秘密でもなんでもないのだが、レミーがリングイニを「操る」シーンで「マジンガーZ」、あるいは「ガンダム」を思い起こす人は多いだろうなあ。
CGアニメが被写体深度を意識して描かれるようになったのは、割合最近のことなのだろうか?あれでリアルさが大分増していたような気がする。
あと本編とは関係ないけど、来年公開という、ディズニーのアニメの世界のお姫様が現実のNYに表れてしまうという作品の予告を見た。ああいう風に自己パロディをやり始めているのを見ると、80年代終わりから始まった、ディズニーアニメの第2の黄金時代も終わりをつげつつあるのだなあと実感せざるを得ない。Howard Ashman(”Little Mermaid”、”Beauty and the Beast"などの作品の中心人物だった作詞家)が生きていてくれたらなあ。