2ちゃんを見ていて盛んに出てくるのはアーマーモデリング誌(AM)は質が落ちたという嘆き。初期のものは中身が濃かった、隔月間から月間になって中身が薄くなったという書き込みがしょっちゅう出ている。そんなんだから、俺のように初期のAMを知らないものは、昔のAMがどんなに凄い雑誌なのだろうかと思いを馳せずにはいられなかった。
今度その初期のAMの一部を手に入れて見てみたが、それほど現在のAMの質が昔に比べて落ちたとは思えない。作例は今でも十分に素晴らしいと思う。製作や塗装の手順を丁寧に見せようとする努力では現在のほうが上ではないか?
ただ、現在のAMに決定的に欠けているのが高石誠の連載。彼は全く新しい技術を作り出したのみならず、自分の技術を方法論として明確に表し、文章で表現する能力を持っていた。残念ながら、今まで日本でそれをやった人は他にはいない。アダム・ワイルダーとミゲル・ヒメネスらはそれに成功しているし、AMもそれを見習おうとしているようだが、まだ、高石の文章表現力に全く及んでいない。
この人がAMに書かなくなった、というか、どうも戦車模型から離れてしまっている(らしい)のは残念だがなんとなくわかるような気がする。あんなふうに、求道者的に自分の技術を突き詰めたら、そのうちに煮詰まってしまうだろうし、彼もそうなったのではないか。