注目の"Sweet Charity"のプレビューが始まって、果たしてATCに一番乗りレビューが出ている。
こちらのほうは相当に辛め。一方で、
こちらのほうはかなり好意的に書いている。この最初の辛目の批評のほうは、面白いポイントをついていると思う。つまり、この"Charity"というショウ作品の中身だけをみると、いろいろ、ストーリーと曲調のミスマッチがあったりするような、無理のあるショウだという指摘。この作品の脚本はNeal Simonなんだけど、実は彼が最初から書いたわけではない。初稿を書いたのはBob Fosseで、どうも脚本に問題があってショウのオープンは決まっているのに、先に進まないというので、Fosseが親友のSimonに助けを求める形で、彼が関わりのちに単独でクレジットされるようになったものだ。Simonがそのエピソードを自伝の「書いてはまた書き直し」で触れた部分で、彼は、この作品自分が最初から書いていたら、こういう物語は書かない、と断言している。どうも彼自身も作品中の人物の行動に合点がいっていたわけではないようだ。
こう考えてみるとこの作品、一般に信じられているような名作ではなくて、いろいろ問題のあったものをCy ColemanとDorothy Fieldsの魅力的な歌、Simonの筆力、主演のGwen Verdonの魅力、そして何より、それらをなんとかまとめきるFosseの演出によって、かろうじて微妙なバランスを保ちながら成立してきた作品なのではないかなとも思えてくる。
その辺については俺もまだ観て無いのでなんともいえん。まずは観てのお楽しみ。
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JAYが
"Dessa Rose"のキャストアルバムを2枚組みでだすことが決まった。これは勇気ある発売といえよう。最近、キャストアルバムが売れない状況が目立つのだから。
でもな~、ATCでも出てたけど、こういうリスクをとるんなら、JAYさん、すでに録音がすんでお蔵入り中の"One Touch of Venus"を発売してくれ~~~~!!!!MelissaタンのVenus、聞きたいよ~~~~!!!!(←Encore!での公演を何気に観にいって、Melissaタンにいっぺんに参った奴)
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Broadway.comのKen Mandelbaumが今年のTony賞のノミネートを予想する連載を始めたな。
第一回は作品賞。今年は11個も新作が開いた(これから開く)んだね。"Spamalot"、"Scoundrels"の2つが鉄板でノミネートなのは、ほぼミュージカル好きの一致した見解だが、あと2つが問題。俺は実は"Spelling Bee"が間違いなく入ると思っているのだが、Mandelbaumは"The Light in the Piazza"のほうが確実と見ているようだな。"Piazza"がそんなにいいのかどうかは、観て見ないとなんとも言えん。
いずれにせよ、"All Shook Up"、"Chitty Chitty Bang Bang"、"Little Women"がバブル上にあるのは間違いないようだ。"Chitty"は前にもちょっと触れたけど、Tony無しでも生き延びる可能性はあると思う。まあ、トニー賞でのパフォーマンスの広告効果が高い作品なので、プロデューサーはノミネートさせたがるだろうが。"All Shook Up"と"Little Women"は本当にTonyのノミネーションがほしいところだろう。でも最後の2スロットが"Bee"と"Piazza"で決まる可能性も十分にあるわけだな。
第二回は主演男優・主演女優賞。これについては明日以後あらためてとりあげる。今日のところはリンクだけ。