今、フジテレビの夕方のニュースを見ていたら、こんなのをやっていた。
神奈川・平塚市の県立神田高校で、外見に問題があるとして22人を不合格に
高校は義務教育ではないので、外見を合否判断の一部とすること自体が、問題だとは思わない。極端なことをいえば、血液型はA型に限るとかしてもいいわけだ。(まあ、今回は公立の高校なので、そこまで極端にはできないとは思うが。)
ただ、今回のケースは、「合格の判定は公正に行われなくてはならない」という意味からは問題がある。それは、
外見が合否判定の対象となることが受験者にあらかじめ知らされていなかった
ということだ。(リンク先の動画はヘッドラインニュースでそこまで触れていないが、俺が見たニュースではそう言っていた。)
公正って何?というのは、あまりに深遠で大問題で、そう簡単に結論がでるとは思えないが、こういう合否判定における公正さには少なくとも2つの基準があると思う。
1.受験者全員が同じ基準で判定されること。(えこひいきなしっていうことですな。)
2.その基準が明確で、しかも受験者に対してあらかじめ、知らされていること。
今回の例は、2番目の点で問題がある。合否審査の基準があらかじめ知らされていないと、どういう人が合格して、どういう人が落ちるのかということが外から見てまったくわからないことになる。もし、ピアスの穴をあけている生徒は落ちるとわかっていたら、受験者はあらかじめ、自分が受かる可能性があるのかどうかがわからないし、そんな外見ばかり気にする高校、こちらから願い下げという生徒だっているはずだ(選ぶの高校だけではない。生徒のほうだって高校を選んでいるのだ)。こういう「裏基準」の存在は、公正な審査という点で許されるべきではない。
ちなみに、学校側は、この基準を取り入れてから、中退率がさがり、生徒の質が改善したといっている。もし、そういうメリットがあると思うなら、「裏基準」などで取り入れずに堂々と取り入れればいい。高校、それも公立の高校のように、公共性が高い機関でそういうことをやれば、物議をかもしだすことはまあ間違いないが、公に対して、そのメリットを主張する覚悟がないなら、それをやってはなるまい。