俺自身は直接テレビで見たことがないのだけれど、「オトナグリコ」というグリコの新製品のTVCMが話題になっているらしい。下のリンクから見られる。
「オトナグリコCM」
見ていただければわかるが、「サザエさん」の25年後という設定で、カツオ、ワカメ、タラちゃん、イクラちゃんの人生模様をスケッチしたものだ。
このCMをみて、俺は面白いとは思ったが、それと同時に、別の不思議な感情が湧きあがってくるのを覚えた。
それは、うらやましい、だ。
漫画やドラマ、あるいは小説などの世界の未来の姿についてあれこれ想像してみたりして、「脳内遊び」のようなことをしてみた人は多いと思う。「ドラえもん」なんて、実際にそれを漫画にしたパロディ作品が、多数作られているわけだが。また、同世代の友人たちと一緒に飲んでいて盛り上がる話題のひとつが、「実写版XXXX(アニメのタイトル)」を想定して、誰をどの役に配するかとかをあれこれ話すことだ。ようするに、みんな、自分の好きなアニメとかマンガの世界を膨らませてみたいのだな。だが、そうした遊びはほとんどの場合は脳内で完結するのであって、マンガを描けたり、あるいはもっと極端にホームムービーを作ったりできる人以外は、それを実際に絵や画像にすることはかなわない。ましてや、プロの俳優に自分の思った役をやらせるなんてできない。
でも、このCM製作者は、そういうみんなやっている遊びを、仕事とはいえ、人(グリコ)のお金を使って、本当にやっちゃったわけだ。しかも、宮沢りえとか、小栗旬とかのルックス抜群の俳優を使って。
うらやましいなあ。
やっかみ半分にひとつだけ苦言。上のリンク先のページにさらにリンクされている、
「25年後の磯野家」という補足説明、これは余分だ。いまいったみたいに、このCMの製作者は、みんなの夢を具現しちゃってる羨むべき対象なのだから、それにだめを押すような説明をして、「これが僕(私)の描いた磯野家の未来なんですよ~、わかってくださいね~」なんていうようなことはしなくていいと思う。見る側にも少しは想像力を巡らせる余地を残しておいてほしい。宮沢りえ演じるワカメをみて、へぇ~、こういうワカメなんだ、34歳か~、もう結婚とかしてるのかな~とかいうように考えて楽しむのは、視聴者の特権だと思うけどな~。
*****
蛇足:
このCMでは
「カツオくんは永遠の小学生。」じゃなくなってしまってるわけだが、このお方は、このCMを見てどのように反応されたのだろうか?